妊活のしおり

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正しく理解できていますか?機能性不妊と器質性不妊について

201603_07a不妊症は検査をすれば必ず原因が特定できるとは限りません。不妊の原因が診断される「器質性不妊」と、原因不明の不妊「機能性不妊」に分かれます。

原因が分かれば治療法を検討できるのですが、不妊の原因が分からない場合は様々な治療や対処に取り組み、妊娠しやすい状態をつくり上げていかなければなりません。

ほとんどの女性が検査さえすれば不妊の原因を特定できると思っていますが、実際には、不妊で悩む女性の5割は機能性不妊と言われている現状です。

女として生まれた以上、決して無関係ではない不妊の問題。正しい妊活に備えるために、機能性不妊と器質性不妊の性質についてしっかり理解しておきましょう。

器質性不妊とは?

排卵し、受精し、着床し、妊娠しますが、この流れのどこかに原因があり妊娠しにくくなっている状態が「器質性不妊」です。

体の、どの部分に異常があるのかを検査して特定します。器質性不妊は疾患部に応じて症状名が変わり、主に「排卵因子」「卵管因子」「子宮因子」「子宮頸管因子」の4種類です。

<排卵因子>
正常に排卵が行われない症状で、不妊の原因およそ1割は排卵因子によるもの。原因を細かく分けると次の4つです。

・視床下部性排卵障害・・・ホルモンの分泌に支障があり、排卵を妨げている状態
・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)・・・卵巣の表面に異常が表れ、正常に排卵が行われない
・高プロラクチン血症・・・無排卵、無月経などの可能性が高く、排卵に支障が出ている
・黄体化未破裂卵胞症候群・・・卵胞に異常が表れ、排卵を妨げている状態

201603_07b<卵管因子>
精子と卵子をつなぐ卵管にトラブルが起きて、受精しにくくなっている状態。不妊の原因およそ3割が卵管因子と言われ、原因を分類すると次のとおりです。

・細菌感染・・・膣から侵入した細菌が卵管を汚染し、正常な受精が困難
・卵管閉鎖、卵管狭窄・・・卵管が狭くなったり塞がったりして精子と卵子が結びつかない
・卵管采周囲癒着・・・卵管采が正常に機能せず、受精を妨げている状態
・卵管内膜障害・・・卵管の内膜に異常があり、生殖機能の働きが弱くなっている
・ピックアップ障害・・・卵子のピックアップができずに妊娠できなくなる障害

<子宮因子>
子宮そのものに何かしらの症状があり、受精卵の着床が不安定になることで不妊を引き起こします。子宮因子の原因は次の4つです。

・子宮筋腫・・・子宮の筋肉に腫瘍ができ、不妊の原因となる症状
・先天性子宮奇形・・・生まれつき子宮が変形しており、不妊や流産の原因となる症状
・子宮内膜ポリープ・・・子宮内膜に腫瘍ができ、生殖器に支障を及ぼす症状
・子宮内腔癒着症・・・月経の出血が減少し、子宮内膜が炎症を起こしている状態

<子宮頸管因子>
子宮頸管とは膣から子宮腔につながる部分の名称で、子宮の入り口のこと。ここに異常が起きていても不妊の原因となり、妊娠しにくくなってしまいます。

子宮頸管因子は頸管粘液不全と抗精子抗体の2種類に症状が分かれ、抗精子抗体の場合は人工授精や体外受精も検討しながら不妊治療しなければなりません。

<子宮内膜症>
子宮内膜にトラブルが起きている状態で、排卵を妨げたり卵子のピックアップが上手くできなかったりする妊娠しにくい体質の一つ。

不妊症で悩む女性の約3割が子宮内膜症というデータもありますし、不妊の原因として意外と多い症状なんです。
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機能性不妊とは?

夫婦どちらを検査しても明確な原因が見つけられない場合は機能性不妊と診断されます。

しかし、検査内容が十分でなかったため原因を見つけられなかったケースもあり、高度な精密検査を受けたら器質性不妊だったという例も少なくありません。

一般的な検査では機能性不妊と診断されたのに、高度な精密検査では原因が特定できることも多いわけです。

機能性不妊と診断された女性のうち、およそ8割は精密検査で新たに原因が判明していますので、できる限りクオリティの高い検査を受けるのが好ましいと言えるでしょう。
ただし、やはり精密検査でも原因が見つけられない場合もあり、いろいろな方法を試しながら根気強く不妊治療に取り組む必要があります。

免疫力が低下していたり不健康な体質だったりすると、状態卵巣機能や卵子の働きが弱くなり妊娠しにくいケースもあります。

つまり、異常がないから検査では特定できないけど、母体そのものの妊娠力が弱っていて不妊を引き起こしている場合もあるわけです。

特に年齢の高い女性や、体調不良を起こしやすい虚弱体質な女性などは気をつけなければなりません。悪い生活習慣や体の衰えも、不妊になりやすくなってしまう原因の一つ。

そうした理由から機能性不妊と診断される例もあるので、日頃のライフスタイルを見直すことも妊娠しやすい体質づくりのために重要なポイントとなるでしょう。

様々な可能性を考えながら妊活することが大事。機能性不妊と器質性不妊についても正しく理解しておき、一つずつ問題を解決していくことが大切です。