旦那さんの精子は大丈夫?検査でわかる3つのタイプ
あなたの旦那さんは大丈夫?
意外にも多い、男性が原因の不妊症。妊活といえば女性を思い浮かべますが、夫の不妊が理由で妊娠できない夫婦も多いんですよ。
ところが男性は不妊に対して軽く考えがちな傾向があるため、ギリギリまで妻だけに任せて積極的に妊活に取り組まないケースが目立ちます。
不妊症は妻だと思い込み、まさか自分が不妊の原因だとは気づいていないわけです。これでは正しい妊活と言えませんよね。
男性が原因の不妊症を大きく分けると3つありますが、そのなかでも早期の対処が必要になる「造精機能障害」について今回はチェックしていきましょう。
精子が正常につくられない
造精機能障害とは、正常な精子がつくられない症状です。そのため、自然妊娠に必要な質の良い精子を射精できず、受精が困難になります。
造精機能障害と診断される男性は、乏精子症・精子無力症・無精子症のいずれか。それぞれ検査や治療法が異なりますので、しっかり覚えておきましょう。
男性の検査って?
主に男性の不妊検査は5つです。精子や血液を採取して調べたり男性ホルモンの状態を調べたりして症状を診断します。
●精液検査
精液の中の精子の数と、精子が正常に元気よく働いているかを確かめる検査
●抗精子抗体検査
精子の働きを妨げる抗精子抗体が血液中に存在していないかを検査
●染色体検査
血液を検査し、染色体(遺伝子)に異常がないかを確認
●Y染色体検査
無精子症の可能性がないかを調べるための遺伝子検査
●ホルモン検査
男性ホルモン(テストステロン)・卵胞刺激ホルモン(FSH)・黄体形成ホルモン(LH)を調べて精巣が正常に機能しているかを検査
乏精子症について
精液の中に存在する精子の数が足りていない状態。精子の量が少ないわけですから卵子までたどり着きにくく、受精しにくくなるんです。
乏精子症の原因は、精子を運ぶ管に異常があったり精巣機能の働きが低下したり、精子をつくる機能に障害が出ている場合もありますが、それ以外も考えられます。
15歳以降に高熱を発症すると精巣炎を引き起こしたり、生まれたときから精巣の位置が高いままの停留精巣なども乏精子症を引き起こしたりする原因。
血液検査やホルモン検査で精巣の機能を調べる必要があります。そのほか抗精子抗体検査などでも精子の働きを調べて、今後の治療法を検討しないといけませんね。
精子無力症について
精液の中に存在する精子の数は足りているのに、一つ一つの精子が貧弱な状態。働きが弱く元気のない精子では、いくら量が足りていても正しい受精の妨げになるんです。
精液検査やホルモン検査をして診断します。前進運動する精子が50%以下、または元気よく前進する精子が20%以下であるときは精子無力症。
しかし、その日の精子によって運動量が違いますので、一度の検査ではなく数回の検査を実施して診断するのが一般的です。
精子をつくる機能に障害があったり15歳以降に発症した高熱の影響による精巣炎が理由だったり、精子無力症を引き起こす原因は一つではありません。
また、ウィルス感性で精巣や前立腺が炎症を起こし、その後遺症として精子無力症になるケースもあるので、検査で症状を診断して治療法や対処法に取り組む必要があります。
無精子症について
言葉のとおり、精液に精子が存在しない症状。無精子症は2つのタイプに分かれ、「閉塞性無精子症」と「非閉塞性無精子症」があります。
●非閉塞性無精子症
無精子症の男性80%は非閉塞性無精子症が原因。精巣で精子がつくられず、当然ながら受精に支障が出ます。
ホルモン検査で精巣の異常を調べたり、正常に脳下垂体ホルモンが分泌されているかを検査したりして症状を診断しなければなりません。
●閉塞性無精子症
とりあえず精巣で精子はつくられているけど、精子の通り道(精管)が詰まっているため精液の中に精子が存在しない状態。つまり、射精しても液の中には精子がいないんです。
精液検査やホルモン検査、染色体検査や抗精子抗体検査など様々な角度から要因を調べ、非閉塞性なのか閉塞性なのかを診断する必要があります。
今回は検査で分かる造精機能障害の3タイプをご紹介しましたが、症状が診断されたら、そのあとはそれぞれに適した治療法が待っています。
治療で症状が改善されない場合は旦那さんの精巣から精子や精子細胞を採取し、人工授精や顕微授精で妊娠する方法など正しい方向性で不妊治療に取り組むことが重要。
まずは検査して、不妊の原因を知らなければ方向性も定まりませんよね。1日でも早く妊娠しやすい環境を整えるために、夫婦そろって妊活に取り組むことを強くおすすめします。