男性が無精子症だった場合どうしたらいいの?原因・症状・治療法まとめ
不妊治療は夫婦で頑張っていくものです。以前までは、不妊治療=女性がおこなう治療とうイメージがとても強くありました。不妊の原因は女性にある、というような考え方になっていたのではないでしょうか。でも最近では、男性に原因がある不妊というのも世間では認知されるようになっています。実は女性側と男性側、どちらも不妊原因の比率はほぼ同じといわれています。
男性の不妊には、無精子症というものがあります。無精子症の原因や症状、そして治療法についてご紹介します。
無精子症とは?
無精子症というのは、症状の名前からもわかる通りなのですが、精液の中に精子が全くない、という状態です。実は男性の100人に1人は無精子症といわれているぐらい、身近な問題です。
・閉塞性
精巣で精子は作られているけれど、通り道がふさがってしまって精子が通れていない、という状態です。
・非閉塞性
精子の通り道には問題がないけれど、精巣で精子が作られていない状態です。
無精子症の原因を知ろう
無精子症になってしまう場合、その人それぞれに原因があります。
・他の症状や問題によって発生するもの
閉塞性で精子の通り道がふさがれている場合、他の症状によって発生した可能性があります。鼠径ヘルニアの術後や尿路感染に伴う症状の一つでも発生します。
・ホルモン異常や精巣の機能にある問題によって発生するもの
非閉塞性の場合は、元々のホルモン異常、精巣の機能不全などといった問題が発生していると考えられます。しかし非閉塞性の場合は、様々な原因が考えられ、実際にどんな原因で発生しているのか、というのを突き止めるのは難しいといわれています。
無精子症の症状
無精子症かも…と思ったときに、当てはまる症状と比較して、ある程度自宅で無精子症かどうかを判断しておきたいですよね。無精子症は、特に目立った症状がない、というのが特徴です。そのため、自宅で判断するのは難しいですね。
精液に精子がないとなると、普通の精液よりも粘りが弱い、ニオイがしない、というようなイメージがあるのですが、実は無精子症にはあまり関係しません。精液は常に同じとは限りません。体調や状態などによって変わってくるものなので、見た目での判断はとても難しいでしょう。
唯一わかりやすい症状といえば、精索静脈瘤という問題によって発生する無精子症ですね。精索静脈瘤というのは、男性不妊の原因の20%を占めているといいます。見た目でわかるのは、左側の陰嚢が大きくはれ上がっているかどうか、です。見た目で左右の大きさに違いがあれば、もしかして精索静脈瘤かもしれません。病院で相談してみてください。
無精子症は検査でわかる
無精子症かもしれない、というときには検査をします。まずはフーナーテストといって、性交後の子宮頸管の粘液を採取して精子を確認します。その時点で精子が見つからないというときには、問診なども取り入れながら、FSHという精子の形成にかかわるホルモンの数値を調べたり、様々な無精子症の可能性を探りながら診断してくれるのですが、この時点で閉塞性か非閉塞性かもチェックしています。
検査は1回ですべてわかるわけではなく、複数回の検査をして総合的な診断をして、無精子症とわかれば治療、となります。
無精子症の治療
無精子症の治療=妊娠するための不妊治療というような考え方で、無精子症そのものが一気に改善する方法があるのかというと、なかなかそういうわけにはいきません。ただし、赤ちゃんを授かることを目標とするのであれば、無精子症の治療は必須です。
・閉塞性
自然妊娠を望む場合、そして女性側には不妊原因がない、さらに2人が35歳未満の場合は、精路再建手術といった治療があります。条件に当てはまらない場合は、顕微授精などで妊娠の可能性を探ることになるでしょう。
・非閉塞性
ホルモンの異常がある場合はホルモン剤の注射をおこないます。精子が1つでもあれば、顕微授精などで妊娠する望みはあります。
見た目や症状ではわかりにくく、実際になかなか妊娠ができないから…と行った病院でわかることが多いです。無精子症という症状と向き合って、積極的に不妊治療を受けたいですね。